開業形態の基礎知識 ① 【 各種の医院・クリニック開業形態 】


【 各種の医院クリニック開業形態 】





はじめに

 今日、開業の形態はそれほど固定的なものではありません。 意外に自由な形態を取ることが出来ます。 ただ、その場合 「 医療機関の役割はどのようなものがあるか 」 という点をしっかり検証し、それを基に開業の基本方針と事業計画の検討をする必要があります。


各種の開業形態 参照図


Ⅰ.ビルテナント開業 (参照図:Aタイプ)

 東京23区内の開業の約9割がこのビルテナント開業です。 このビルテナント開業は、開業費が比較的低額ですみ、開業準備期間も短くすみます。 そのため多くの先生が利用する形態です。 この例として、当社が15年ほど前に開業支援したクリニックをご紹介します。

 Tクリニックは、京王線沿線の駅から徒歩約4分のビルの1階にあります。 現在面積が100坪以上ありますが、開業当初は近くのビルの1階 約27坪で始めました。 内科、消化器科、小児科の標榜で始め、半年間は集患に苦労しました。 しかし、1年後からは本当に患者さんが集まり、3年目で1日平均100人以上来院しました。 その後8坪ほど院内を広げることができましたが、来院患者数が多く( 多い時は1日200人を超えます )、どうしようもなく狭いので現在のビルに移転しました。

 Tクリニックは、大成功したクリニックです。 院長先生が地域医療に熱意を持ち、たゆまぬ努力をしてきた結果です。 このクリニックは、ビルテナント開業の一つのモデルクリニックだと思います。


Ⅱ.戸建開業 (参照図:Aタイプ)

 東京都下や千葉、埼玉、そして地方での開業の大半はこの戸建開業です。 この形態は、一戸の建物を建て、その全部または一部を診療所 ( 医院・クリニック。以下同じ ) にします。

 戸建開業は、開業資金の心配をしなくてよいのなら、ベストな開業形態でしょう。 なぜなら、診療所の面積を自由に取ることができ( 土地が広ければ )、建物の形を自由に造る事ができるからです。 しかし、お金の制約がある以上、戸建開業は資金に応じた大きさ、内容のものしかできません。 ただ、それでもビルテナント開業よりは自由にクリニックを造る事ができます。

 山梨県山梨市で3年前に開業したSクリニック ( 内科、循環器科、アレルギー科 ) は、 土地約100坪、建物約60坪です。 土地の値段が安い地域では、良い土地を選択して、先生の考えるクリニックを造る事ができるのです。


Ⅲ.医療ビル開業 (参照図:Bタイプ)

 最近少しずつ増えてきている開業形態です。 複数の診療所 ( 競合しない医院・クリニック ) がひとつのビルに入る医療ビルもしくは、複数の診療所がひとつのフロアに入る医療モールは、それぞれ連携を取りながら診療するので、患者さんに便利だとの発想で出てきた開業形態です。 また、変形版としてメディカルビレッジという形態 があります。 これは、一戸建ての診療所が複数集まった形です。 確かに、これらの開業形態は開業する先生にメリットが多く、患者さんにとっても都合が良い面が多いので、今後増えていく開業形態だと思われます。 医療ビル開業・メディカルビッレジ開業は、集合した診療所が各種の面で連携すれば、非常に高い集患をもたらします。 また、増患もかなり期待できる開業形態です。

 当社で開業支援をした横浜市緑区のNクリニックは、4科目 ( 整形外科、内科、耳鼻咽喉科、眼科 ) が入っている医療ビルで開業を成功させました。 医療ビル開業はお勧めの開業形態ですが、注意するのはその集合する医院、クリニックの内容です。 標榜科目や規模に問題はないか、また医療ビルの全体管理に問題はないか等、検討すべき課題はいくつかあります。 それらの点を注意すれば、非常にメリットの有る開業形態です。


Ⅳ.医業継承 (参照図:Aタイプ)

 以前別な院長先生がその診療所を開業していましたが、事情によりその後を引き継いで( 承継 )開業する形態です。 この形態は経営上安定的ですが、その反面色々な制約もあります。 この開業は、開業費用が安く済むので、もっと利用されても良い開業形態です。 ただ、承継の情報が広く出回らないので、中々この形態の利用が進みません。

 当社は茨城県稲敷郡にあるAクリニック ( 当初はK医院と呼称 ) をこの形態で開業支援をしました。 院長先生が急逝し、その後を継いで現理事長が承継しました。 当初は一つの医院でしたが、今では法人化して分院を三つ有するに至り、成功を収めています。


Ⅴ.在宅医療専門クリニック (参照図:Cタイプ)

 格別の診療施設を持たず事務処理スペースのみを備えた医療施設で、もっぱら在宅医療を行う形態です。 設備やスペースが必要ないため開業費用がかなり低額になります。 機動力と強い熱意があれば、面白い展開が出来ます。


Ⅵ.センター的クリニック (参照図:Dタイプ)

 いわゆる画像センターなどの専門特化型の医療機関をいいます。 機能的には、他の医療機関の検査 ( 画像診断、高機能検査 ) の請負的な役割を果たし、特化した機能に集中するクリニックです。 往々初期投資はかかりますが、高機能を備え、営業力があれば面白い開業形態です。





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